奈良県奈良市で毎年12月に開催される「春日若宮おん祭」。
一番の見どころである「御渡り式」は国の重要無形民俗文化財に指定されており、歴史と伝統あるお祭りです。
この記事では、春日若宮おん祭2024の見どころや歴史、神事スケジュールを紹介していきます。
春日若宮おん祭とは?
春日若宮おん祭✨✨
装束も馬達もとても素敵過ぎました!#春日大社 pic.twitter.com/TSUpeyS83b
— 甲冑装束騎乗会 (@in20876533) December 17, 2023
奈良、春日若宮おん祭のお渡り式を見てきました♪ pic.twitter.com/bXPrCuz5vV
— のんびり (@Nonbirimile) December 17, 2023
春日若宮おん祭とは、奈良県奈良市の春日大社で毎年12月に開催されている春日大社の境内にある摂社である春日若宮の例祭です。
平安末期の保延2年(1136年)に関白だった藤原忠通(ただみち)が天下安泰、五穀豊穣、万民和楽を願って行ったのが始まりとされています。
900年近く1度も途切れることなく続いており、2024年で889回目を迎える歴史あるお祭りです。
4日間に渡って数多くの神事芸能が奉納され、昭和54年には国の重要無形民俗文化財に指定されており、日本の伝統文化を間近で感じることができます。
春日若宮おん祭の歴史
春日大社の若宮神社には、大宮の殿天児屋根命(あめのこやねのみこと)と比売神(ひめがみ)の御子神である天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)という神様がお祀りされています。
天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)は水徳の神として人々に崇めらていました。
しかし、長承年間(1132〜1135)には大雨洪水により飢饉が相次ぎ疫病も蔓延して人々は苦しんでいました。
そこで天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)に御加護を願い、長承4年(1135年)に現在の地に大宮と同じ規模の若宮神社が建てられました。
そして、若宮神社に天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)をお迎えして丁重なる祭礼を奉仕を行ったのが春日若宮おん祭の始まりです。
長年の大雨洪水も収まって晴天が続いたため、以後、五穀豊穣と万民安楽を祈り毎年行われており、1度も途切れることなく人々に受け継がれ900年近く続く歴史と伝統あるお祭りです。
春日若宮おん祭2024の見どころとは?
御渡り式
今年で888回目となるおん祭は5年ぶりの通常開催、そして興福寺五重塔を背景にした お渡り式はしばし見納めということで、いろいろ感慨深いものがありました。おん祭とともに奈良もようやく本格的な冬がやってきたようです。#春日若宮おん祭 pic.twitter.com/cdy2ErTebX
— 奈良の福 (@fuku_musuko) December 17, 2023
おん祭りお渡り式。
田楽座の行列。
奈良一刀彫りの起源と言われる人形を飾った大きな花笠が美しいです。 pic.twitter.com/LKLNwC7T8e— リコリス (@Licoric20350663) December 17, 2023
お渡り式の時代行列。
装束の色や文様が美しいです。#春日若宮おん祭 pic.twitter.com/99RBDFMOXk— ホテル日航奈良【公式】 (@nikkonara) December 17, 2023
春日若宮おん祭の一番の見どころが国の重要無形民俗文化財に指定されている「御渡り式」です。
「御渡り式」とは、若宮様のもとへ、芸能集団や祭礼に加わる人々が詣でる行列の事をいい、行列は馬50頭と様々な衣装を着た1000人に及びます。
御渡り式の順番は以下の通りになります▼
①日使(ひのつかい)
②巫女(みこ)
③細男・相撲(せいのお・すもう)
④猿楽(さるがく)
⑤田楽(でんがく)
⑥馬長児(ばちょうのちご)
⑦競馬(けいば)
⑧流鏑馬(やぶさめ)
⑨将馬(いさせうま)
➉野太刀(のだち)
⑪大和士(やまとざむらい)
⑫大名行列(だいみょうぎょうれつ)
華やかな衣装に身を包み、工夫を凝らした華やかな風流な行列として多くの人を魅了します。
全国でも有数の規模を誇る時代行列で、まるでタイムスリップしたかのような感覚になりますよ!
過去の御渡り式の様子がこちら▼
御旅所祭
【御幣】
奉る御幣は白の紙の御幣が多いですが、お祭りによって赤色の紙をつかった御幣や、五色の御幣を奉ったりします。
2枚目 御旅所祭(春日若宮おん祭 )
3枚目 田楽座(春日若宮おん祭 )#春日大社 #御幣 #神事 pic.twitter.com/bpTulJoAOI— 春日大社 kasugataisha shrine (@KASUGASHRINE) February 25, 2023
春日若宮おん祭
御旅所祭「細男(せいのお)」 pic.twitter.com/ZcmWNE9FaH— いそらのけりす (@isoranochelys) December 17, 2023
春日若宮おん祭 御旅所祭
御旅所において還幸の前に行われるメイン祭
様々な神事芸能が約7時間途切れずに奉納される
古様をよく残す芸能が多く(らしい)、神秘の雰囲気が濃い pic.twitter.com/fhSJi91O2A— 暁丸 (@akamaru506) December 17, 2023
御旅所祭とは、若宮様にお供えや芸能を楽しんでもらう行事で、絶え間なく神事芸能が奉納されます。
御旅所祭が行われる御旅所には、正面の一段高い所に若宮様の行宮(あんぐう)があり、その前に小高く約五間(9メートル)四方の芝舞台があります。
この芝舞台は【芝居】の語源となったといわれているそうですよ。
御旅所祭は、御渡り式の最後尾である大名行列の声がまだ参道に響いている中で始まり、初めに神職が参進して「染御供(そめごく)」を若宮様にお供えします。
お米を、青黄赤白に染め分けて飾る古式の珍しいもの。
そして、宮司や日使が天下泰平・五穀豊穣の祈りをささげたあと後に各種神事芸能が奉納されます。
奉納される神事芸能はこちら▼
①神楽(かぐら)
②東遊(あずまあそび)
③田楽(でんがく)
④細男(せいのお)
⑤神楽式(かぐらしき)
⑥和舞(やまとまい)
⑦舞楽その1
・振鉾三節(えんぶさんせつ)
・萬歳楽(まんざいらく)=左舞
・延喜楽(えんぎらく)=右舞
・賀殿(かてん)=左舞
・地久(ちきゅう)=右舞
・長保楽(ちょうぼらく)=右舞
⑧舞楽その2
・蘭陵王(らんりょうおう)=左舞
・納曽利(なぞり)=右舞
・散手(さんじゅ)=左舞
・貴徳(きとく)=右舞
・抜頭(ばとう)=左舞
・落蹲(らくそん)=右舞
御旅所祭の神事芸能は、猿楽を大成した世阿弥が見て感動したことで知られています。
生きた芸能の歴史を間近で見ることができ、まさに圧巻です。
過去の御旅所祭の様子はこちら▼
春日若宮おん祭2024の行事スケジュール
春日若宮おん祭では、15日(日)~18日(水)の4日間に渡ってたくさんの神事が行われます。
神事スケジュールの開催時間や場所を簡潔にまとめたので紹介します。
上記で紹介した見どころは赤字で記載してあります。
神事開催場所マップと御渡り式ルートマップはこちら▼
15日(日)
●大宿所詣(おおしゅくしょもうで)
時間:13:00~
場所:R奈良駅から大宿所
●御湯立(みゆたて)
時間:14:30~/16:30~/18:00
場所:大宿所
時間:12:00~
場所:奈良県庁前広場出発
時間:12:50頃
場所:興福寺南大門跡
時間:13:00頃
場所: 一ノ鳥居馬出橋より御旅所前勝負榊まで
時間:14:30頃
場所: 一ノ鳥居より馬出橋周辺
時間:14:30頃
場所:御旅所
時間:23:00頃
場所:御旅所より若宮御本殿
18日(水)
●奉納相撲(ほうのうずもう)
時間:13:00~
場所:御旅所南側の特設土俵
春日若宮おん祭2024の開催日程と開催場所
2024年の春日若宮おん祭は、12月15日(日)~18日(水)の4日間に渡り開催されます。
開催日程や開催場所について簡単にまとめてみました。
2024年 春日若宮おん祭 | |
日時 | 12月15日(日) 13:00~ 12月16日(月) 14:00~ 12月17日(火) 0:00~ 12月18日(水) 13:00~ |
開催場所 | 春日大社付近 |
住所 | 〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160 |
マップ | |
問い合わせ先 | 0742-22-7788 (春日若宮おん祭保存会事務局) |
公式サイト | https://onmatsuri.kasugataisha.or.jp |
他の記事では、春日若宮おん祭2024の交通規制やおすすめ駐車場、屋台出店についてを詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
まとめ
春日若宮おん祭2024の見どころやイベントスケジュールについて紹介しました。
国の重要無形民俗文化財に指定されている「御渡り式」は、タイムスリップしたかのように感じますよ。
歴史と伝統ある春日若宮おん祭にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
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